日本でもF1日本グランプリが鈴鹿サーキットで行われています。しかし、二つのコースにはかなりの違いがあります。まず、マリーナベイのコースは市街地を走るコースであり、その日のために特設されたものです。しかし、鈴鹿の場合は最初からレース用に作られており、その点が大きな違いとなっています。また、マリーナベイ・サーキットは1周の長さが5063キロで61周回りますが、鈴鹿の場合は5807キロで53周回ります。コーナー数はシンガポールが23、鈴鹿は18となっています。
そして、コースとしてもう一つの違いは、マリーナベイ・ストリートサーキットは、一般道をコースとして使用しているために、コース自体に凹凸部の多い箇所があるということです。そのために車が大きくバウンドしたり、車体から火花が散ったりということが起こります。鈴鹿サーキットは最初から設計されて作られたコースですから、凹凸は少なく、その意味ではドライバーにとって走りやすいと言えるでしょう。
日本グランプリについて
シンガポールと日本との違いを知るためには、日本グランプリについても知っておいた方がより違いが明確になり、理解もしやすくなります。
日本グランプリの先駆けは、鈴鹿サーキットから始まります。1962年に鈴鹿サーキットが出来上がり、1963年にここで日本における本格的な自動車レースが開催されました。それが「第1回日本グランプリ自動車レース大会」と言われるものでした。そして第3回には富士スピードウェイに舞台を移しましたが、その後、一時中断することになります。再開されたのが1976年で、これは日本で初めてのF1シリーズ戦となったのです。その後、観客の死亡事故などの影響でまた中断しましたが、1987年から再び日本グランプリとして鈴鹿で行われるようになりました。
以上のように日本では一貫して富士か鈴鹿のコースを走ります。また、開催日はテスト走行と予選、決勝の合わせて3日間で、これは日本もシンガポールも変わりがないのですが、大きな違いは夜のイベントがあるかないかでしょう。マリーナベイ・ストリートでは連日音楽ライブやショーが開かれて、それだけを見ても楽しめますが、鈴鹿ではそのようなことはなく、純粋にカーレースを楽しむことになります。
ナイトコース
シンガポールグランプリは、ナイトコースと言って夜に行われます。この点も鈴鹿など他のF1グランプリとは大きな違いになります。日程はテスト走行と予選、決勝の3日間行われるのはどちらも同じですが、決勝に関して鈴鹿は日中であり、マリーナベイでは夜に行われます。また、公道を使用することもあり、期間中はまるでお祭りのような騒ぎになります。レース以外の楽しみが数多くあることも、マリーナベイの魅力とも言えます。
また、チケットもウォークアバウトという1から4までのゾーンをすべて移動することのできるものがあり、それを買うと、レースを見ながら場所を自由に行き来することができます。このように様々な点で鈴鹿とは相違があります。レースそのものを楽しみたいのなら鈴鹿も魅力的なコースなのですが、それだけではなくナイトライフも大いに盛り上がりたいのなら、絶対にナイトコースのマリーナベイはおすすめです。